こんにちは!台湾在住2年目のトッピーです。
海外移住の話をする時、言語問題は避けられない大きな課題です。
「その国に住めば自然と言葉は身につく」と聞くことがありますが、実際のところどうなのでしょうか?
「とりあえず住めば自然とできるようになる」と楽観的に考えている方もいるかもしれませんが、その考えは危険かもしれません。
私は台湾在住2年目です。台湾に住みながら中国語を猛勉強した時期もあり、そうでない時期もありました。
その経験を経て「海外に住むだけでその国の言葉ができるようになるのか?」の答えが私なりに見えました。
本記事では、私の経験を基に「海外に住むだけでその国の言葉ができるようになるのか?」について解説していきます。
結論、難しいです。
「できるようになる」の定義によりますが、
例えば、買い物やレストランでの簡単な注文程度であれば、できるようになるでしょう。
ただ多くの人が考える「できるようになる」というのは、「ネイティブと様々な話題に関して流暢に話せる」といったようなレベルではないでしょうか?ここに関して言うと、ただ住むだけでは無理です。
「ただ住むだけ」というのも曖昧な表現ですが、意識的に語学学習に取り組んでいないような状態です。
海外に住むと周囲の言語が全て現地の言葉になりますが、漠然と聞いているだけでは、それも意識的に語学学習に取り組んでいる状態とは言えません。
目指すレベルによりますが、「現地人と流暢なコミュニケーションを取れるようになる」レベルを目指すのであれば、自己学習が必須になります。
私は2022年3月に台湾に住み始めました。
それまでは日本で独学で中国語学習を行い、HSK5級を取得していました。(中国語の基本文法を一通り理解し、日常会話ができるレベルでした)
台湾渡航後は4ヶ月ほど台湾の語学学校で中国語を猛勉強し、就職してからは日系企業で中国語を使う機会が少ないので、中国語学習をサボっています(笑)
そんな私の中国語力の伸び(あくまで自己分析)ですが、以下のようなイメージです。
- 日本での独学期:割と忙しい会社で働きながら学習していたため、歩みは遅かったのですが、それでも着々と実力を伸ばしていくことができました。
- 語学留学期:この時期はかなり伸びました。仕事もしておらず語学学校での勉強が生活のメインでした。学校での勉強約3時間+自己学習約3時間を毎日行っていました。また日々の生活の中で意識的に新しい単語を習得したり、台湾人とのコミュニケーションを図っていました。
- 台湾就職期:台湾で就職をしたものの、日系企業で仕事中はほとんど日本語を使っていました。そして、仕事の勉強や副業の優先度が上がり、中国語学習の時間がかなり減っていきました。そのため、台湾に住んでいるのですが、中国語力は退化している気がしています。
インプットが増えないためです。
新しい単語・表現のインプットが増えない場合、いつも同じ単語・表現で会話を行ってしまうため、自分の表現の幅は拡大しないのです。
当然ながら、知らない単語・表現は読めないし、聞き取れないし、書けないし、話せないですよね。
さらに、継続的に学習をしないと一度覚えた単語も抜け落ちていくため、語学力は退化する可能性もあるのです。
私の台湾就職期がその典型です。
仕事ばかりして中国語学習を怠ってしまった結果、台湾に住んでいるにも関わらず、中国語力が退化してしまいました。
結論、海外に住んでいても自己学習は必須です。
「海外で生活していたら自然とできるようになる」と楽観的に考えていると、大きな成長は見込めないでしょう。
また「海外生活を楽しみながら語学力も身についていく!」と楽しい部分だけ想像している方もいるかもしれませんが、一人で黙々と単語帳を開いたり、問題集を解いたりする時間も必要なのです。
これは私の実体験ですが、私は台湾での語学留学時代、学校の授業だけでなく、家で黙々と勉強する時間も沢山取りました。その結果、中国語力が大幅に伸びたと感じています。
私は台湾に何年も住んでいて中国語を全く喋れない人に、沢山出会ってきました。このような人は基本的に中国語習得に対するモチベーションが無く、全く勉強していない人たちです。
一方で、留学経験等0で中国語がペラペラな人にも出会ったことがあります。
現地にいてもいなくても、「頑張って勉強すること」が語学習得において最も大切なのです。
「子供は勉強しなくても自然と言語習得できる」という主張をする方もいますが、子供と大人では、言語習得のプロセスが大きく異なります。
子供たちは周囲の言葉を聞きながら、その言語の音響パターン、文法構造、語彙を無意識のうちに学習します。
子供たちの脳は、言語学習に特化した機構を持っています。
これは言語獲得期と呼ばれる時期に最も活発で、生まれてから10歳頃までの間に他言語に触れると、母語と同じように流暢に話せるようになる可能性が高いです。
この現象は第二言語習得研究における「クリティカル・ピリオド仮説」に基づいており、脳の柔軟性が高い幼少期に言語を学ぶことで、発音や文法の習得が自然かつ効率的に進むとされています。
しかし、大人になると状況は変わります。
年齢とともに脳の柔軟性は低下し、新しい言語の習得はより意識的で努力を要するプロセスとなります。
大人は言語を学ぶ際、既存の母語の知識に依存しがちで、新しい言語の音や文法規則を母語と関連付けて理解しようとするため、しばしば母語の影響を受けた発音や文法の誤りが生じます。
つまり、「海外に住むだけ」では、子供は自然と言語を身につけることができるかもしれませんが、大人は意識的な学習と実践を重ねることで初めて、その国の言葉を本当に「できる」ようになります。
本記事では、「海外に住むだけでその国の言葉ができるようになるのか?」というテーマで解説していきました。
少し厳しいことを言うかもしれませんが、ただ住むだけでは無理でしょう。
事実、海外に何年も住んでいて全く喋れないという人も沢山います。
私自身、台湾に住んでいますが中国語学習を怠った結果、中国語力が退化してしまったと実感しています。。。
海外生活が言語習得の素晴らしい機会であることには変わりありませんが、積極的な姿勢で挑まなければ、完全な習得は難しいのが現実です。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
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